朝のリレー 谷川俊太郎
カムチャッカの若者が
キリンの夢を見てるとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら
寝返りをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝日にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴っている
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受け止めた証拠なのだ
あまりにも有名な詩ですが私も大好きです。これを読むと心が穏やかになれるのです。世界中を旅した気分になります。
最近ではネスカフェのCMで話題になりましたが、この詩は中1の長女の期末テストの地理の問題で出題されました。CM好きな彼女は詩を覚えていてluckyでした。
by hao73940 | 2005-08-02 23:29 | 趣味